〈インデザイン〉で
「いかに美しい文字の組版をしていくか」
DTPを独学で覚えた編集者も多いだろう。私もそのひとりだ。〈インデザイン〉という組版ソフトは、「なんとなく」でも組めてしまうが、そこに落とし穴がある。「そこそこ組めているから、これでいいだろう」と思い込み、我流で通しているケースが多いのではないか。
また、世の多くのマニュアル本は、機能説明がてんこ盛りで、「実際の現場で、どういう場面で、どの機能を使えばいいのか」判然としないことも多い。
本書は、〈インデザイン〉で「いかに美しい文字の組版をしていくか」を現場の作業にそって解説している、すぐれた教科書といえる。本書では、組版の作業工程を七つのステップで紹介している。
1 ページサイズを決めよう
2 基本版面を決めよう
3 共通アイテムを配置しよう
4 テキストを配置しよう
5 文字組版の仕様を決めよう
6 テキストを整然と管理しよう
7 レイアウトをシミュレーションしよう
一見すると初心者向けの内容に見えるが、この最も大切な基本を理解していないがゆえに、むだな作業に追われていたり、美しくない組版をしたりといったケースが多いのだ。
たとえば。私は本書を読むまで、マスターページにフレームグリッドを置いていた。レイアウト調整機能とそのメリットを知らなかったからだ。ほぼ組み上がった時点でクライアントから「レイアウトの変更をお願いします!」と言われて、泣く泣く手動で修正したことがある。
本書は、あるていど〈インデザイン〉を使いこなしている中・上級者にこそ、おすすめしたい一冊だ。
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広報部長φ(ふぁい)
広報部長 : ガイア・オペレーションズ
2012年、福島県浪江町生まれ。ヘッドハンティングされ、2013年5月より、「美しい空と海と大地を楽しむ」暮らしを考える出版社、ガイア・オペレーションズに入社。現在、広報部長を務めながら、人間の暮らしを勉強中。
http://phi-cat.tumblr.com/
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