Vol.8 読谷の真夏を散策する

 
 2013年8月22日  Posted by

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2013年6月18日(火)
今日は、8月10日の土曜日。列島は猛暑がつづく。
すでに立秋の声を聞いたが、涼風はまだ吹かない。
仕事場にはエアコンがないので、大げさではなく、サウナにいるような案配だ。ただ座っているだけで汗が噴き出してくる。

ふと、読谷出張記がまだ残っていたことを思いだす。
もう2か月近い過去になってしまったが、きのうのことのように感じる。たしかに、6月中旬の読谷村の暑さは、8月の今と似たようなものだったなと気づく。夏が2か月もつづいているわけだ。

さて、過去へ戻ろう。
6月18日。琉球庵。汗まみれで、目覚める。窓の外は快晴。
カメラをもって、琉球庵のベランダへ出る。起き抜けに写真を撮ることもないだろうにと思いつつ、夏雲の圧倒的な姿に見とれる。

時は止まり、ただ光だけが降りそそぐ。このベランダで、日がな一日、空を眺めて過ごしたらどんなにいいか、思案する。ベランダの隅に、小さなシーサーが座っている。かわいいが、威風堂々としている。暑いのに大変だ。この家を守っているのだろう。

シャワーを浴びて居間へ降りてゆくと、リョウタさんが、近所を案内してくれるという。琉球庵の裏手には、小さな川が流れていた。暑さで溶けそうな県道から川へ降りてゆくと、草が生い茂っていて、ひんやりしている。鉄の棒でやぶを突きながら進む。ハブに出会わないようにするためだ。

案内してくれたのは、川のそばにある、御嶽だ。小さな御嶽で、祠の手前に、インパチェンス(別名アフリカホウセンカ)が花をつけ、シダも生えていた。まるで供花のように見える。御嶽のまえにいると、しずやかな心持ちになる。

宿にもどり、車でリョウタさんお気に入りのビーチに連れて行ってもらう。6号線を残波入口から真栄田岬のほうへ向かい、恩納村へ入ってしばらく走った空き地に車を停めた。すぐ近くに、巨大な墓があり、目を見張る。

ビーチに出る。北東に真栄田岬が見える。それにしても、この雲はどうだ。力にあふれていて、それでいて、軽やか。雲好きにはたまらない光景だ。

ビーチの西側には、大きな岩に挟まれた小さな渚が、なんともいえない魅力をたたえている。時間があれば、その日陰の渚で、日がな一日・・・馬鹿の一つ覚えだ。

水も澄んでいて、宮古島の池間ビーチをふと思いだす。沖合の右手に、伊江島がぼんやりと見える。それにしても、地元の人に教えてもらわなければ、こんな場所にはまず来られないな、と思った。

(つづく)


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和田 文夫
1954年生まれ。1977年、ドイツ語専門出版の三修社に入社。83年に退社し、フリーの編集者に。月刊アスキー、翻訳の世界、の校正・編集などに協力、1997年より現アマナのimagazineの編集長、1998年より、英治出版入社。2003年、ガイア・オペレーションズを設立。著者に、『キリエの誕生』『孤島の発見』(写真集)など。
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