Vol.4 ゲストハウス琉球庵の朝

 
 2013年8月15日  Posted by

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2013年6月17日(月)

ゲストハウス琉球庵の朝。
抜けるような空の青さ。
沖縄地方は、すでに梅雨あけで、強烈な暑さだ。

一階の居間で、サービスのコーヒーをいただく。さらに、もずくが入った沖縄風のパンケーキも作っていただいた。宿を仕切っているリョウタさんから、「ソースをかけて食べてください」と言われ、そうする。韓国のチヂミに似ていて、美味しい。

琉球庵は、個人宅を改装したもので、ゲストハウスとして営業する前は民泊の宿をしていたそうだ。民泊とは、修学旅行生などを受け入れる短期ホームステイのようなもので、滞在先の家で、沖縄の暮らしを体験できる。

琉球庵では、読谷村の伝統的な衣装(琉装)を着たり、三線を体験することができる。読谷村の下調べをするまえに、まず琉球庵の周囲を散策してみた。

琉球庵は、国道12号線から、ほんの少し奥まったところにあるが、家のまわりは濃い緑に囲まれている。駐車場のわきには立派なフクギの木が立っている。いま、リョウタさんの父親が別館の内装を手づくりしているという。真新しい白壁の家が、大きなフクギとあいまって、気持ちのよいコントラストを醸し出している。

駐車場の入り口には、クワズイモが茂っている。雨の日には傘の代わりになりそうだが、この植物には毒性があるという。

琉球庵から路地をはさんだ向かいの家には、見事な石垣と、これまた圧巻の木が植わっている。さらに路地をすすむと、これまた立派な大木があり、そのあたりの気配が神妙だ。木のすぐ近くまで行くと、やはり、そこは御嶽だった。

正午の焼けるような陽のもとで、大木の下にある、薄暗い御嶽のなかにいると、時が止まったような、不思議な感覚に陥る。なにか得体の知れない自然と、面と向かう場所が、暮らしのすぐちかくにあるのが沖縄だ。内地の、それも都市の人間が失ってしまったものこそ、その得体のしれない、ちょっとナゾめいた、少し恐い、そして静謐なる場所なのかもしれない、などと思ってみたりする。

(つづく)

ゲストハウス琉球庵
〒904-0301 沖縄県中頭郡読谷村字座喜味67番地
http://a011w.broada.jp/ryukyuanx/index.html


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和田 文夫
1954年生まれ。1977年、ドイツ語専門出版の三修社に入社。83年に退社し、フリーの編集者に。月刊アスキー、翻訳の世界、の校正・編集などに協力、1997年より現アマナのimagazineの編集長、1998年より、英治出版入社。2003年、ガイア・オペレーションズを設立。著者に、『キリエの誕生』『孤島の発見』(写真集)など。
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