【002】クマザビーチにて

 

2012-07-02-SDIM6403

 

草むらの生い茂った小径を抜けたとたん、視界が開けた。

クマザビーチだ。

美しい海岸線を左から右へ、ゆっくりと見渡す。

人の姿がない。

無人島に漂着したのではないかと錯覚してしまう。

海は凪いでいて、もう夕方に近づこうとしているのに、

目をくらませるような光が降ってくる。

古人は、こういうときのために、至福という言葉を発明したにちがいない。


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和田 文夫
1954年生まれ。1977年、ドイツ語専門出版の三修社に入社。83年に退社し、フリーの編集者に。月刊アスキー、翻訳の世界、の校正・編集などに協力、1997年より現アマナのimagazineの編集長、1998年より、英治出版入社。2003年、ガイア・オペレーションズを設立。著者に、『キリエの誕生』『孤島の発見』(写真集)など。
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