7月 052013
 
 2013年7月5日  Posted by

世界一簡単かもしれない、シェットランドのパン



梅雨があけて暑さ真っ盛りのころ、フェアアイル・ニッターの佐藤ちひろさん(『フェアアイル・ニッティング』著)は毎年、イギリス・シェットランド島で創作活動をしています。涼やかな風が吹く季節に、ポットにたっぷりと淹れた香ばしいコーヒーをすすりながら、今年のシェットランドの様子やニットのトレンドなどのお話を伺うのが、毎年恒例の楽しみ。

「今年はシェットランドで、伝統のパンのつくりかたを習ったの。バナックスっていうのよ」

さっそくキッチンに立ったちひろさんは、レシピを説明をしながら、次々に材料を混ぜ合わせていきます。あの繊細なニットを編む手とは思えないほど豪快な手さばきを、目を皿にして追うのがせいいっぱい。写真など、撮っている暇はありませんでした。あっという間できあがった生地をオーブンにいれると、面白いほどむくむくと膨らんできます。

手早くバナックスを切り分けるちひろさん



10分後、テーブルには焼きたてのバナックスに、ハムやサラダが並びました。部屋に広がる香ばしい匂いで、腹の虫はすでに大騒ぎ。さっそくかぶりつきました。今日のバナックスは、胡桃とレーズン入りです。

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焼きたてのバナックス



焼きたてのパンの美味しさを表現するのが、こんなにむずかしいなんて。まわりはパリっとしていて、半分に割ったそばから湯気が鼻腔をくすぐります。噛めば噛むほど、じわっと感じるほのかな甘み。これは小麦の滋養なのか、隠し味の塩麹のせいなのでしょうか。

「蜂蜜をたっぷりかけて朝ご飯に、ハムやチーズ、サラダをはさめばブランチにぴったりなのよ。娘たちもすっかりはまってるわ」

以来、すっかりバナックス党。せっせとバナックスを焼く日々が続いています。市販のパンは、ほとんど買わなくなりました。なんといっても、材料を混ぜ合わせて10分で焼き上がるのが、最大の魅力。材料の似ているホットケーキよりも手間いらずです。

ローストビーフとチーズを挟んだ、バナックス・バーガー



こしらえたバナックスの写真をネットにアップしていくうちに、「どうやってつくるの?」という問い合わせをいただくようになりました。そこでちひろさんに相談したところ、「レシピを公開してもいいですよ」という粋なお返事をいただきました。

ということで、次回はバナックスのレシピを大公開します。お楽しみに!

 

 


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広報部長φ(ふぁい)

広報部長φ(ふぁい)

広報部長ガイア・オペレーションズ
2012年、福島県浪江町生まれ。ヘッドハンティングされ、2013年5月より、「美しい空と海と大地を楽しむ」暮らしを考える出版社、ガイア・オペレーションズに入社。現在、広報部長を務めながら、人間の暮らしを勉強中。 http://phi-cat.tumblr.com/

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