6月 262013
2013年6月26日

んなぁ〜目次がイイッ!
勘のいい方ならピンときたかもしれません。以前こちらでも紹介しましたエラリー・クイーンの国名シリーズの第四弾『ギリシャ棺の秘密』が登場しました。さっそくページを捲る広報部長が、思わずウニャッタ目次の仕掛けがこちらです。
- TOMB 墓
- HUNT 捜索
- ENIGMA 謎
- GOSSIP 噂話
- REMAINS 調べ残し
- EXHUMATION 発掘
- EVIDENCE 証拠
- KILLED? 他殺?
- CHRONICLES 時系列
- OMEN 前兆
- FORESIGHT 予定
- FACTS 事実
- INQUIRIES 尋問
- NOTE 書き置き
- MAZE 迷路
- YEAST 素因
- STIGMA 汚名
- TESTAMENT 遺言状
- EXPOSE 暴露
- RECKONING 清算
- YEARBOOK 日記
- BOTTOM どん底
- YARNS 打ち明け話
- EXHIBIT 証拠物
- LEFTOVER 残るひとり
- LIGHT 明かり
- EXCHANGE やりとり
- REQUISITION 要求
- YIELD 収穫
- QUIZ 設問
- UPSHOT 決着
- ELLERYANA エラリー語録
- EYE-OPENER 啓発
- NUCLEUS 核心
THE GREEK COFFIN MYSTERY BY ELLERY QUEEN
原題が浮かび上がってくるのですよ。かっこいい〜。『たのしい編集』のなかでも、「物語を読むように目次を読む」という章で、目次のつくりかたについて触れているのですが、こういう趣向を凝らした目次のつけかたは、ぐっときちゃいます。ほんと、パクリたいくらいです。
広報部長、エラリーと対決する。
さて、大富豪ゲオルグ・ハルキスが心臓麻痺で自然死するところから事件が幕をあけるのですが、生前のハルキスが、美術館から盗まれたというダ・ヴィンチの傑作を売りさばいていたという事実が浮上したとたん、物語にずいずいと引き込まれてしまいました。
「十六世紀初頭にフィレンツェのヴェッキオ宮殿の大広間でレオナルドが制作にかかり、未完成に終わった壁画の一部を、油彩で描いたものだ。・・・(中略)ヴィクトリア美術館では”旗の戦いの部分絵”と呼んでいる」
これって、完成していれば「最後の晩餐」を超える大作だったといわれる、ダ・ヴィンチの「アンギアリの戦い」の一部のことなのか!?(この絵画については、数年前にもテレビでとりあげられていたようで、「荒俣宏のオークション博物誌」の記事、「DA VINCI DECODED」がわかりやすかったです)。2012年には、この絵とモナ・リザの顔料が一致したとCNNが報道しています。
とにかくこの真作か贋作かもさだかでない怪しげな作品を巡って、事件はより複雑に絡まっていきます。絵の秘密については終盤で明かされますが、これが物語を盛り上げるアイテムのひとつであることは間違いありません。アート×ミステリーは部長も大好物ですよ。
さて、エラリー・クイーンからの「読者への挑戦状」を読んだ時点で、部長も部長なりに犯人を絞り込んだのですが・・・今回は見事完敗だったようです。まだまだ修行が足りませんな。

犯人まちがえた〜〜〜!